その他 2020.10.20

高3ブログ No150

~学年主任エッセイ(7)~

『古都から学ぶこと』

 10月も後半になりました。昨年の今頃は修学旅行でハワイに行きました。ハワイでの生活は本当に刺激的で、多くのことを学び、貴重な経験をたくさんすることができましたね。また、昨年はハワイ以外にも遠足で京都へ行きました。天候に恵まれ、京都の歴史や伝統に触れることができ、皆さんも大変よい時間を過ごすことができたことだと思います。
 
 私は「京都」という場所に特別な思いがあります。なぜなら大学4年間を京都で満喫したからです。私は大学時代、京都のお寺や神社で外国人の方を相手に、英語でボランティアのガイドをするという活動をしていました。平安神宮や金閣寺・竜安寺・清水寺などへ行き、その神社やお寺の歴史・建物の説明、また日本に関心がある外国人が多かったので、日本の文化や習慣についての説明をさせていただいたのを今でも覚えています。 
 
 さて、こういった体験もあり、私は京都という場所に特別な感情があるのですが、今日は清水寺の「音羽の滝」について考えてみます。清水寺といえば、三重の搭や清水の舞台が有名ですが、この「音羽の滝」とよばれた3本の小さな滝も観光客には人気があります。清水寺に行くと、観光客がその3本の滝の水をひしゃくにすくって飲んでいる光景をよく目にします。なぜ、観光客はその滝の水を飲もうとするのでしょうか?
 
 それは、それぞれの滝の水を飲むと次のようなご利益があると言われているからです。いくつかの説があるのですが、一般的に、飲む人から見て、一番左の滝の水を飲むと、健康で長生きすると言われています。また、真ん中の滝の水を飲むと、美容によく、恋愛において成功すると言われています。そして、一番右の滝の水を飲むと、頭が賢くなり学問において成功すると言われています。大学入試を受験する時には、一番右の滝の水を飲むといいと思います。 
 
 皆さんはどの滝の水を飲みたいですか?一番左の滝の水を飲みたいと思った人もいるでしょうし、真ん中の滝の水を飲みたいと思った人もいるでしょう。また、「いや私は全部の滝の水を飲みたい」と思った人もいるかもしれません。しかし、この滝の3本全ての水を飲むと逆に何の効果もないと言われています。この滝には、「人間は欲張ってはいけません」「何事もほどほどが大切ですよ」という教えがあるのです。「食べ過ぎ・飲みすぎに注意」とか「テレビの見過ぎに注意」という言葉をよく耳にしますが、何ごとも度を越すとよくないと言われています。「何でもほどほどにする」ということは、実際には難しいことですが、そのバランス感覚を日々養っていくことは、非常に大切なことだと思います。
 
 話を音羽の滝に戻しますが、今日紹介した音羽の滝は、日本十代名水の筆頭にあげられる有名な水で、非常においしいお水です。私自身、この滝を見ていると、大学時代(青春時代)を思い出すとともに、穏やかな気持ちになります。私たちは、日々ばたばたした生活の中で、心の余裕がなくなってしまうことがあります。しかし、こういった時にこそ自然と触れ合い、心を動かすことで気持ちが楽になることも多いのは確かです。皆さんにとって心の落ち着く場所はどこでしょうか?日々の生活の中でしんどくなった時は、少し立ち止まって自然と触れ合ってみるのもいいものです。なお、京都のお寺や神社は、これから紅葉の季節になります。機会があればまた行ってみてください。そして清水寺を訪れた時は、ぜひ音羽の滝に足を運んでみてください。

高3学年主任 原 真巳

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