イベントレポート 2021.11.24

現代と女性「芸術鑑賞」

大阪信愛学院短期大学(大阪市城東区・鶴見区)には、「現代と女性」という授業があります。

「現代と女性」は「キリストの価値観に基づき、豊かな心を持った誠実敬虔でより良い社会の建設に寄与する人物を養成する」という建学の精神を浸透・実践することを目的として設けられてる科目で、2021年度は「心豊かな人に」をテーマに実施されます。

「現代と女性」のプログラムには、講演会や音楽会、グループ活動、地域清掃などの奉仕活動などがありますが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、対面授業とオンライン授業を組み合わせて実施されています。

「芸術鑑賞」では、例年、会場で演奏・歌唱を生で鑑賞してきましたが、今回は「負の歴史と音楽の力」をテーマに、オンラインでのビデオ鑑賞となりました。

鑑賞したのは、2021年10月24日に兵庫県加西市で行われたとても貴重な収録コンサートでした。コンサートの収録が行われた場所は巨大防空壕の中でした。

兵庫県加西市には、第一次世界大戦の戦争遺跡である「青野原俘虜収容所」と、第二次世界大戦の戦争遺跡である「鶉野(うずらの)飛行場跡」が残っています。

「青野原俘虜収容所」は、第一次世界大戦時に日本が得た捕虜を収容するために置かれた施設で、約500人が収容され、半数がドイツ兵、半数がオーストリア=ハンガリー兵でした。日本が得たオーストリア=ハンガリー捕虜の約8割が、青野原に収容されています。

「鶉野飛行場跡」は、第二次世界大戦の中、「特攻」の訓練をして63名の特攻隊員が飛び立っていった飛行場で、1200mの滑走路が当時のまま残っているのは、全国でも唯一となります。
  ※「特攻」は、戦闘機に片道の燃料だけを積んで、機体もろとも敵艦に体当りする決死の攻撃のことです。

コンサートの収録が行われた巨大防空壕は鶉野で一番大きなもので、高さと横幅が約5メートル、奥行き約15ートルあります。

この防空壕で、大阪信愛学院短期大学の教員も参加する「青野原オーストリア2019プロジェクト」のために結成されたユニット、青野原合奏団【ensemble Viello(アンサンブル ヴィエッロ)】が演奏をしました。

演奏では、第1次世界大戦時に加西市青野原の捕虜収容所でオーストリアの捕虜たちが演奏していた音楽を再現し、なおかつ、日本の情緒を新たに加えた楽曲も加えられました。

演奏曲は全部で7曲で、学生さんたちは、オンラインで説明・資料を読んでコンサートを鑑賞しました。

「青野原オーストリア2019プロジェクト」青野原合奏団による防空壕跡での演奏収録を紹介する記事(毎日新聞 播磨・兵庫版 2021/11/5 朝刊)

今回の「芸術鑑賞」によって何らかの気づきがや学びがありますように願っております。

「青野原オーストリア2019プロジェクト」青野原合奏団の演奏は次のリンクにてご覧賞頂けます。

※本ブログの作成にあたり、「青野原オーストリア2019プロジェクト」公式サイトと加西市ホームページを参照しました。

※2022年4月開学の「大阪信愛学院大学」は男女共学となります。「現代と女性」は開講されませんが、新たに設置される教育学部・看護学部では特色豊かな授業を展開いたします。

イベントレポートTOPへ

短期大学ブログTOPへ

Pagetop

Copyright©2019 Osaka Shin-Ai Jogakuin All Rights Reserved.